Power Apps を仕事で活かす

PowerApps を仕事で活かす

今、業務改革や生産性向上などに活用できるツールとしても注目を集めている Power Apps (パワーアップス)

今回はそんな Power Apps について、少し書いてみようと思います。

そもそも、Power Apps って何?

ここにたどり着いた人にこの説明は不要かもしれませんが、ざっくりいうと、Microsoft が提供している、アプリをとても簡単に作ることができるクラウドサービスです。

ひとくちにアプリといっても、Windows 用のアプリ、iPhone や Android などのモバイルデバイス用のアプリなどがありますが、Power Apps で作成したアプリはデバイスの種類を問わず使うことができます。

ほんとに簡単?

Power Apps について情報を集めていると必ず出てくるキーワードに、”ノンコーディング” や “ローコーディング” といったものがあります。

これは「コーディング(プログラミング言語で処理を記述すること)の必要なく、または必要最低限のコーディングで」という意味で、Power Apps も ノンコーディング、ローコーディングを謳っています。

あと、「Excel の関数を使う感覚で簡単にアプリが作れます」といった紹介のしかたもよく見かけますね。

要するに、

「これまで全くアプリを作ったことのないような方、プログラミングなんてやったことがないような方、コードなんて書いたことがないような方でも簡単にアプリが作れちゃうよ」

というのが Power Apps の売りなわけですが、私がこれまで Power Apps と触れてきて感じたことを述べると次のようになります。

「専用の開発環境を使って作ることに比べれば断然簡単でラク。けれど、これまで一度もそういったことをしたことがない人にとっては、もう少し手前のところで難しいと感じてしまうことがあるかもしれない。」

何が “簡単” なのか

本来アプリを開発するには、何はともあれ専用の開発環境が必要となります。

統合開発環境、IDE (Integrated Development Environment) なんて言いますね。

Windows で動くアプリであれば Visual Studio、iOS や Mac OS で動くアプリを作ろうと思えば Xcode などが有名でしょうか。

やろうと思えば IDE が無くても作れちゃいますが、IDE 使わずに作ることは多分ないでしょう…。

少し話がそれてしまいましたが、この IDE を準備するのがまず大変です。

IDE のパッケージソフト自体がそこそこ大きなソフトですし、モノによってはお値段も結構します。
最近は開発環境さえもクラウドになりつつありますが、とにかく誰でもすぐ簡単にとはいきません。

その点 Power Apps は Microsoft 365 や Office 365 の条件を満たすライセンスさえ所有していれば、ブラウザで誰でもすぐにアプリを作りはじめることができます。

とても簡単でお手軽です!

次に、実際にアプリを作る面。

まず、IDE を使ってアプリを作ろうとした場合、とにかく色々な開発支援機能が備わっていますので、IDE 自体の使い方をある程度知る必要があります。

ただ、その “ある程度” がとてもボリュームがあり複雑。

多分 IT やシステム畑で食っていこうという方でない限り、触れるのもためらってしまうでしょう。
※ そういうのが好きな人は除きますが

対して Power Apps は、ほとんど直感でいけなくもない。

Word や Excel で新規ドキュメントを作成するような感じで作り始め、「こんなアプリが作りたい!」っていうイメージさえあれば、簡単なものなら標準で用意してあるものを使って ポンポンポンッ と作れてしまいます。

実に簡単!

しかも、保存して “発行” とするだけで、すぐにそのアプリが実際のデバイスで使えてしまいます。
更に、そのアプリを他のユーザーに使ってもらいたかったら、共有設定をするだけ。

これが一番素晴らしいですね。
本来であればアプリの配布はとても手間がかかり面倒なことなのです。

では何が “難しい” のか

それは恐らく、”これまで仕事で (日常で) 気にすることも 触れることも 必要でもなかったもの” がアプリを作るのにほぼ必須なことでしょう。

それは何か。

“変数” です。

普段でも Excel で VBA を使ったり簡単なプログラムくらいなら書けるよって人、或いは学生の方々にとっては「なんだ、そんなこと…」となるかもしれませんが、この “変数というものの使い方が なんとなくでもわかるか、わからないか” が、とても大きな壁だということを、色々な人と接するたびに痛感してきました。

まず、社会人になり事務職がそこそこ続くと、業務で Excel を使うことが多いと思いますので、特にスキルアップに力を入れていない方であっても、簡単な関数の使い方は自然と身につくと思います。

Power Apps では何か処理を記述するとき Excel の関数のようなものを使いますので、Excel で関数をそこそこ使える方であれば、比較的抵抗なく処理を記述できると思います。

関数は大丈夫!

ですが、関数を使うことについては抵抗がなくても、”変数” については少し事情が変わってきます。

学生であれば算数・数学などで変数というものは使いますので、それほど理解が難しいものでも、イメージできないものでもないと思います。

本職プログラマーとまではいかなくても、社内SEなど 普段パソコンとの距離が近い方にとっても問題ないでしょう。

ですが、そうでない方々にとってはとても理解が難しいものなのです。

普段使いませんし、しょうがないですよね。

つい先日も、とある会社の営業部の方から興味があると相談を受け、社内ハッカソンを行いました。

が、持ち寄られたアイデアをもとに画面のデザインをササっとみんなで作り、作ったものを実際に自分のデバイスに表示させたところまでは「こんなに簡単に作れるんだ!」「いけそうじゃないか!」と楽しさに満ち溢れていたものの、少し表示に動きを付けたいとか、項目に初めにはまっている内容を変えたいといった、変数を使うようなカスタマイズが混じってきたあたりから「やっぱり難しいなぁ」「わからない」という人が増えてきました。

けれど、これは “Power Apps は難しい” とは少し違いますよね。

Power Apps はすばらしい

どの会社にもアナログな事務手続きは数多くあり、実際にそれを日々行っている人が「こんなツールがあったらいいのになぁ」と とてもいいアイデアを思いついたとしても、これまではそれを試すには、その思いついたことを社内のシステム担当者や 或いはお世話になっている外注先に伝えて理解してもらい、かかる手間やコストを計算し、実現可能かどうかを判断し…など、”少し試してみる” ことも難しかったでしょう。

また、頑張って進めたとしても、頼んだ先に自分の要望がうまく伝えることができるかどうかも、とても難しい問題です。

ですが、Power Apps のようなものができたたことで、これからは少しの努力でそのアイデアを自分で試せるようになりました。

職場で Power Apps の使用が許可されている環境にある方は、まずは自分の身の回りの簡単なことから業務プロセスの見直しを行い、改善のアイデアを形にしてみましょう。

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